千葉市   「チバニアン」と千葉競輪

千葉市    「チバニアン」と千葉競輪

 

千葉市は今月、2020年秋に完成予定の新たな千葉競輪場の事業概要などを公表した。新競輪場は走路(バンク)を国際規格となる1周250メートルに変更した多目的アリーナとなる。建設費約70億円は13年度から委託されている「日本写真判定」(東京都)が負担し、運営も行う。

専門家や自治体関係者の間では「新しい千葉競輪場は今後のスポーツ施設のあり方を変える可能性が高い」と言われている。走路が国際規格となることで自転車競技の国際大会の誘致ができる上、250メートルでの競輪事業の開催も検討されている。競輪場として「稼ぎ」ながら施設の維持管理費などを補い、五輪に向けた競技力強化にもつながる持続可能なアリーナとなる。

競輪は戦後、公営ギャンブルとして地方自治体が開催し、経済産業省、運営統括を財団法人「JKA」などが運営してきた。競馬、ボートレース、オートレースなどほかにも公営ギャンブルはあるが、五輪競技となっているのは競輪だけだ。新千葉競輪場はこれまでの競輪場という側面を持ちつつ、競技としての「ケイリン」、バスケットボール、フットサル、卓球、コンサートなども開催できる仕様になる。これまでのコアな競輪ファンだけではなく、幅広い世代を取り込むことができる。

2020年東京五輪・パラリンピック会場となる「ベロドローム」(静岡・伊豆市)も国際規格だが、首都圏からのアクセスが悪く、選手村も分村され、観客や選手への負担も懸念されている。新千葉競輪場は五輪には間に合わないが、20年以降、自転車ファン拡大のきっかけになるという期待も出ている。

これまで競輪場の大規模改修などがあると、地元議会では「廃止すべき」との意見が必ず出てきた。競輪事業が単独で継続できるかどうかという「部分最適」の発想によるものだった。たしかに、売り上げやファンの減少という事実はある。だが、千葉競輪場のように、発想の柔軟性と研究があれば、地域全体の価値を押し上げる「全体最適」を目指した施設として生まれ変わることができる。自治体のトップ、民間事業者、選手会、地域住民の理解があればスポーツ施設の存在価値はいくらでも高めることができるのではないか。

千葉県市原市にある約77万年前の地層は「チバニアン」と命名され、地質年代に日本由来の名前が初めてついた。千葉競輪場は「人が集まる場所」として全国にある競輪場の新たな再生モデルになるだろう。(記者コラム・久保 阿礼)

◆千葉競輪場 1949年8月に開場。オールスターや日本選手権のほか同競輪場で活躍した滝沢正光選手の名前を冠した「滝沢正光杯」(G3)を08年から開催。だが、15年1月に施設の老朽化などに伴い、市が廃止の方針を表明。その後、日本写真判定が建設費などを負担することで存続が決定した。コンセプトデザインは世界的な建築家で東日本大震災後のJR女川駅(宮城県)などを設計した坂茂氏が担当した。20年秋には多目的アリーナに生まれ変わる。地上3階、地下1階で高さは約26メートル。客席数は約3000席。

 

本日、千葉市稲毛区黒砂台自宅より依頼を受け、お伺い、車椅子にて

千葉市中央区亥鼻千葉大学医学部附属病院に

通院治療をされ戻りました。